取締役候補者からのメッセージ
我々が今回、積水ハウスの取締役候補として手を挙げたことには、いくつかの重要な理由があります。
第一に、五反田の土地取引を巡る不祥事の責任を取らず、さらには独立調査委員会による調査報告書で明らかになった事実を2年にわたり隠蔽してきた現取締役を、一新させることがあります。株主は現在、裁判所の命令によって閲覧可能となっている調査報告書(但し、会社により一部黒塗りされているもの)を読むことができます。調査報告書は、マネー・ロンダリングの可能性のあるものを含む疑わしい行為や状況について、現職取締役に責任があるとしていますが、現職取締役が55億5千万円もの多額の損失を取り返す努力を明らかにしていないのは、マネー・ロンダリングであるという可能性が高いためである、と考えられます。我々は、この不正取引とそれが引き起こした様々な問題が全て見逃されてしまった理由を把握すべく、国内外の捜査機関の協力を得つつ、徹底した調査を行う考えです。株主の皆様に与えてしまった損害を回復すべく、積水ハウスに優れたコーポレート・ガバナンスを実現することを、まずは実現いたします。
第二に、強力かつ永続的な戦略的ガバナンスを実現するということがあります。前会長である和田勇は、2020年以降に積水ハウスがすべてのステークホルダーにとって魅力あふれる会社として生まれ変わるために何が必要かを考えることに、この2年を費やしてきました。著名な米国人や、法律・ESGウェルスマネジメントの分野で優れた経歴を有する2人の女性等、多様なバックグラウンドを持つ社外取締役候補者が、社内取締役候補者である勝呂文康、藤原元彦、山田浩司、和田勇と共に、従業員の士気を回復し、会社を持続可能な成長のための新たな軌道に乗せることを誓います。なお、和田勇は、2年を超えて取締役会に残ることはありません。
第三に、多様なバックグランドを持つ社外取締役が多数を占める取締役会を設けることにより、コーポレート・ガバナンスの形骸化を招いている政策保有株式の売却を促進し、その売却資金をさらなる成長投資や株主還元といった資本政策策定のベースとして活用し、株主利益の向上に全力を注ぎます。さらに、取締役候補者は、積水ハウスがニューヨーク証券取引所(「NYSE」)等の主要な海外証券取引所にも上場することを検討します。それにより、積水ハウスの株式に対する海外投資家からの需要が高まり、積水ハウスの株式が24時間取引され、積水ハウスの経営陣の能力やその商品が世界的に通用するものであり、日本国外の多くの市場に拡大していることを明らかにすることにもなります。現在の取締役会は、NYSEやその他の海外証券取引所の上場要件として求められる取締役会の過半数が真に独立した社外取締役であるという条件を充足しないために、そもそもその実現が無理ということになります。
上記から、我々は2020年4月下旬に開催が想定される定時株主総会において、株主の皆様によって取締役に選任されることを求めるものです。