2020年4月13日
積水ハウス株主提案
取締役候補一同
「第69回定時株主総会上程議案への議決権助言会社のレポートに関する当社見解について」
に関する株主提案の取締役候補の見解
仲井嘉浩・社長が署名された「第 69 回定時株主総会上程議案への議決権助言会社のレポートに関する当社見解について」(「見解」)と題する積水ハウス株式会社(「積水ハウス」)によるリリースは、Institutional Shareholder Services, Inc.(「ISS 社」)による議決権行使推奨レポートにのみ言及し、それに先立って発行されているGlass, Lewis & Co., LLC(「GL社」)による議決権行使推奨レポートには言及していません。我々はISS社・GL社それぞれによるレポートに関するリリースを出しており、ウェブサイトsavesekisuihouse.comにてご確認いただけます。
積水ハウスのコーポレート・ガバナンスの明らかな不全の状況の責任は阿部俊則会長と稲垣士郎副会長にあることにつき、ISS社とGL社の両社は意見が一致しております。そのため、阿部会長・稲垣副会長及びその他現職取締役が取締役会に留まり続けることは適切でないと考えます。
両社のレポートは、55億5千万円の損失を積水ハウスにもたらした不正な土地取引に関して、阿部会長・稲垣副会長・仲井社長・内田隆副社長等が負うべき責任を逃れさせるに至っているコーポレート・ガバナンスの不全の状況を明らかにしています。当該不正取引やその後の隠ぺい、マネー・ローンダリングや組織犯罪・テロリストへの資金供与の可能性の解明のために、政府機関等が株主提案の取締役候補に支援を求めてきています。
特にGL社が和田勇・前会長、勝呂文康・取締役専務、そして社外取締役候補であるクリストファー・ダグラス・ブレイディ、加藤ひとみを、上記のガバナンス不全の解消に有用であるとして賛成推奨していることについては、我々は全くの同意見です。それに対し、阿部会長等の上述の現職取締役4名に加え、西田勲平専務・堀内容介専務を含む合計6名の現職取締役は、上記不正取引やその後に生じた事実を株主の皆様に積極的かつ正確に情報開示しておらず(「見解」では、「調査報告書の重要情報については明確に記載して公表して」いるとしているものの、株主の皆様が知るべき重要情報の多くが開示情報から欠けており)、また不正取引の責任を配下に押し付けて取るべき責任を取っておらず、取締役としての適格性を欠くというべきです。
特に、堀内専務はIR部門をその管掌としており、株主への情報開示が適切さを欠いていることから、その職を解かれるべきと考えます。先週、週刊文春が「積水ハウス地面師事件『会長は不正取引を知っていた』元不動産部長が実名告発」という記事を掲載しました。黒田章・前不動産部長が同誌のインタビューを受け、不正取引に係る責任につき不当にスケープゴートとされ、実際に何が起きたかを明らかにしています。この驚くべき内容を報じる記事を添付しております。
冒頭の仲井社長による「見解」では、会社の業績や株価は阿部会長・稲垣副会長の成果であり、再任されるべきであるとされていますが、この見方は全く妥当性を欠くものであり、現経営陣が昨年度の業績と新たな中期経営計画、また会社がその提案する取締役候補を公表した翌2020年3月6日に株価が大きく下落したことが意味するところを無視したものです。昨年度の好業績は優良資産を売却した結果によるところが大きく、今の状況では今後継続して同様のことを期待することは容易ではありません。更に、現経営陣になってから社員の士気が下がり、社内の雰囲気が悪化している、とする報道もあります。こうしたことから、阿部会長・稲垣副会長に関するISS社・GL社による反対推奨は誤った判断であるとは言えず、寧ろ正確な判断であると考えます。更には、業績や株価は、仲井社長・内田副社長等の再任の理由ともならないと考えます。
株主提案の取締役候補は、選任され次第、社会の公器としてモデルとなるべきコーポレート・ガバナンスを積水ハウスに実現することをお約束します。不正取引を解明し、公表することにより、責任を明確にしつつアカウンタビリティーを果たし、同様のことの再発を防止する策を講じ、本件に限らず、企業価値を棄損する行動を抑制する仕組みを構築していきます。それにより事業の成長にも資することとなります。また、組織内のあらゆる社員の理解と関与を得つつ事業を推進し、社員の士気の回復に努めます。GL社のレポートでは、こうした改善には和田勇や勝呂文康等の貢献が重要であるとしており、また国内外の事業の成長に留まらず、より独立性の高い取締役会を含む透明性の高いコーポレート・ガバナンスを積水ハウスに確立させるチャンスを今回の株主提案が株主の皆様に提供している、とGL社はしています。
株主提案の取締役候補は、既にご理解いただいております通り、知見・経験に溢れ、過半を社外取締役とする優れたものです。我々としては、現状のガバナンス不全の解消には、現経営陣を全面的に株主提案の取締役候補で入れ替えることが最善であると確信しております。こうした思い切った対応が、現状を変えるためには避けられないと考えています。ですが、今回の株主総会の結果がどのような形となっても、それこそ株主提案の取締役候補が誰も選任されないということがあったとしても、今後も引き続き積水ハウスのためにこの聖なる戦を続けていく考えでおります。
株主の皆様には、株主提案の取締役候補の全員につき慎重にご検討いただき、議決権を行使くださいますようお願い申し上げます。それにより、我々が株主の皆様とともに、ISS社・GL社も望むところのガバナンスの向上を実現でき、また、株主価値の向上に資するその他の施策の実現もできようと考えております。
以上
株主提案の取締役候補者
クリストファー・ダグラス・ブレイディ
パメラ・フェネル・ジェイコブズ
岡田 康司
佐伯 照道
岩﨑 二郎
齊藤 誠
加藤 ひとみ
勝呂 文康
藤原 元彦
山田 浩司
和田 勇
添付書類
https://ja.savesekisuihouse.com/proxy-advisors-report
https://ja.savesekisuihouse.com/iss-report-ja
- 積水ハウス地面師事件 「会長は不正取引を知っていた」元不動産部長が実名告発 週刊文春
2020年4月16日